TRIzolを用いた全RNA抽出
RNAを分解させないために、サンプルをすばやく凍結することを心掛ける。
RNAの分解は、原材料中で起こる可能性が高いのだ。
培養細胞の場合も「トリプシン処理は避けたほうがよい」とするテキストもある。
金属やガラス器具は乾熱滅菌し、RNaseを除去する。
プラスチック類は、H2O2の希釈液に浸し、RNase free waterで洗い流す。
素手で作業せず、グローブをはめ、汚染されている環境に触れないようにする。
以下の方法は、AGPC法と呼ばれるRNAの抽出法の一つで、既製品の試薬としてinvitrogenから発売されている「TRIzol」を用いた全RNAの抽出法であるが、そのままニッポンジーンの「ISOGEN」のプロトコールとしても利用できるようだ。
フェノールを主成分とする試薬であることから、ゴーグルやグローブの保護具を装着した上で使用する。皮膚や衣服に付いた場合には直ちに汚染された衣服を脱ぎ、直ちに石鹸水、または流水で洗い流す。
TRIzolを用いた全RNAの抽出(培養細胞、6-well plate)
0. ベンチやピペットマン等をRNA gradeにしておく。
1. 培養液をシャーレから吸い取り、PBSを加えて細胞を洗う。
2. シャーレからPBSを吸い出す。
3. 1mlのTRIzol Reagentをプレートの各ウェルに直接加え、細胞ライセートを数回ピペッティングする。
4. 20-21Gの注射器でホモジネートする。
5. チューブに移し、室温で5分間インキュベートする。
6. 200ulのクロロホルムを加え、15秒間力強く振る。
7. 室温で2〜3分間インキュベートする。
8. 4°Cで15分間、12,000g以下で遠心する。
9. 上層にある水層を新しいチューブに移し、200ulのRNase-free waterと200ulのクロロホルムを加える。
10. クロロホルム抽出する(6〜8と同じ操作)。
11. 上層にある水層を新しいチューブに移し、500ulのイソプロパノールを加えボルテックスする。
12. 室温で10分間インキュベートし、4°Cで15分間、12,000g以下で遠心する。
13. 上清を捨て、1mlのエタノールでリンスする。
14. 4°Cで5分間、7,500g以下で遠心する。
15. 乾燥後、RNase-free waterに溶かす。
適切なRNaseの除去方法を採用すること
RNaseの不活化や除去については、RNaseの除去方法のページを参照のこと。