タンパク質実験関連でよく使う試薬の調製方法
Buffer C(ストック)
1M Hepes-K(pH7.8) | 0.5ml |
3M KCl | 7ml |
0.5M EDTA | 10ul |
1M MgCl2 | 250ul |
グリセロール | 10ml |
ミリQ水 | up to 50ml |
1. グリセロールをメスシリンダーで計量する。
2. ミリQ水を少量加え、グリセロールの粘度を下げ、スターラーを回しながら他の試薬を加えていく。
3. ミリQ水で50 mLに合わせ、室温保存。
使用する際には終濃度0.1%のNP40(界面活性剤)やプロテアーゼ阻害剤をストック液に添加する。
10% NP40を作っておき、全容量1 mLのバッファーCを作るのであれば、10 uLの10% NP40を加える。
プロテアーゼ阻害剤はRocheの「complete」が扱いやすい。
30% Acryl-bis
Acrylamide | 30g |
N-N’-methylene-bisacrylamide | 0.8g |
ミリQ水 | up to 100ml |
アクリルアミドのモノマーは神経毒である。吸引したり、直接手に触れることがないように操作する。
アクリルアミドは熱や光に不安定であることから、遮光して冷蔵庫に保存する。
1. 50 mL程度のミリQ水をビーカーに入れ、アクリルアミド30 g、ビスアクリルアミド0.8 gを加えて、スターラーなどで完全に溶かす。
2. 100 mLになるようにメスアップ。
溶液は遮光の上、冷蔵庫保存。オートクレーブはしない。
1.5M Tris-HCl(pH8.8)-0.4%SDS
Tris | 91g |
ミリQ水 | 400ml |
SDS | 2g |
メスアップ | 500ml |
1. 400 mL程度のミリQ水をビーカーに入れ、Tris91 gを加えて、スターラーなどで完全に溶かす。
2. 6N HClでpH8.8に調製後、SDSを2 g加えて完全に溶かす。
3. 500 mLにメスアップ。
溶液は冷蔵庫保存。オートクレーブはしない。
0.5M Tris-HCl(pH6.8)-0.4%SDS
Tris | 6.05g |
ミリQ水 | 70ml |
SDS | 0.4g |
メスアップ | 100ml |
1. 70 mL程度のミリQ水をビーカーに入れ、Tris6.05 gを加えて、スターラーなどで完全に溶かす。
2. 6N HClでpH6.8に調製後、SDSを0.4 g加えて完全に溶かす。
3. 100 mLにメスアップ。
溶液は冷蔵庫保存。オートクレーブはしない。
10% APS
Ammonium Persulfate(過硫酸アンモニウム) | 1g |
ミリQ水 | 10ml |
過硫酸塩類は、強力な重合開始作用を持つ。
APSは白色粉末または粒状。水に溶けやすい安定な結晶である。
1. 15 mLのチューブ等を利用し、10 mLのミリQ水に過硫酸アンモニウム1 gを加えて完全に溶かす。
2. エッペンチューブに適当な量ずつ分注し、遮光の上、-20°Cで保存。
溶液は遮光の上、-20°Cで保存。
水飽和ブタノール
n-ブタノール | 20ml |
蒸留水 | 20ml |
1. n-ブタノール20 mLと蒸留水20 mLを50 mLのチューブに入れて蓋をしっかり締めシェイクする。
2. 軽く遠心する。
3. 室温で保存する。
溶液は室温保存。PAGEのゲル作りのときには上層のブタノール層を使う。
10xRunningバッファー
Tris | 30.3g |
Glycine | 144g |
SDS | 10g |
蒸留水 | 1000ml |
1. 600 mL程度の蒸留水をビーカーに入れ、Tris30.3 g、Glycine144 g、SDS10 gを加えて、スターラーなどで完全に溶かす。
2. 蒸留水で1 Lにメスアップ。
3. 室温で保存。
トランスファーバッファー(MeOH20%)
Tris | 15.2g |
Glycine | 72g |
メタノール | 200ml |
蒸留水 | 1000ml |
トランスバッファー中のメタノールは、タンパク質をゲル中に固定させる作用があるため、濃度が高いとゲルからタンパク質が抜けにくくなる。
1. 500 mLの蒸留水にTris15.2 g、Glycine72 gを完全に溶かす。
2. 200 mLのメタノールを加え、蒸留水で1000 mLにメスアップし、室温保存。
トランスファーバッファー(MeOH5%)
Tris | 15.2g |
Glycine | 72g |
メタノール | 50ml |
蒸留水 | 1000ml |
トランスバッファー中のメタノールは、タンパク質をゲル中に固定させる作用があるため、濃度が高いとゲルからタンパク質が抜けにくくなる。
1. 500 mLの蒸留水にTris15.2 g、Glycine72 gを完全に溶かす。
2. 50 mLのメタノールを加え、蒸留水で1000 mLにメスアップし、室温保存。
10xTBS (Tris buffered saline)
Tris | 24.2g |
NaCl | 80g |
メスアップ | 1000ml |
1. 600 mL程度の蒸留水をビーカーに入れ、24.2 gのTris、80 gのNaClを加えて、スターラーなどで完全に溶かす。
2. 6N HClでpH7.6に調製後、蒸留水で1000 mLにメスアップする。
1xTBST
10xTBS | 100ml |
Tween 20 | 0.5ml |
滅菌蒸留水 | 900ml |
1xTBSを作り、0.5 mLのTween 20を加えて、スターラーなどで混合する。
ブロッキング溶液(0.3% スキムミルク / TBST)
スキムミルク | 0.15g |
1xTBST | 50ml |
50 mLのチューブにて50 mLの1xTBSTに0.15 gのスキムミルクを溶かす。
100mM PMSF
PMSF | 1.74g |
イソプロパノール | 100ml |
PMSF (Phenylmethane sulfonyl fluoride, MW = 174.2)は、セリンプロテアーゼ阻害剤である。
1.74 gのPMSFを100 mLのイソプロパノールに溶かし、0.22 umのフィルターに通す。遮光して-20°Cで保存。通常、最終濃度で1 mM程度加える。